香害について

香害について

香害って何だろう?

皆さんは「香害(こうがい)」という言葉についてお聞きになったことはありますでしょうか?

言葉としてはかなり浸透してきていますので、ご存じの方は多いかと思います。

初めて聞かれた方は、「いったい何の害なんだろう?」と思われるかもしれませんね。

香害とは、まさに読んで字のごとく「香りの害」です。

では一体、香りの害とは何の香りによる害なのでしょうか。

香害とは、私たちのごく身近にある香り、お洗濯用の柔軟剤や洗剤の香りの害のことです。

洗濯洗剤以外にも、香水や化粧品など香りに付随して起こる害も含みます。

今回は特に柔軟剤の害について取り上げてみたいと思います。

今やドラッグストアでも主力商品群に

世の中はとても便利になり、洗濯洗剤も昔のものとは内容ががらっと変わりました。

洗濯洗剤も粉状のものから液体、はたまた今はジェルボールといった形に変化してきていますね。

経済産業省の2020年の調査によると、ここ20年間で洗剤や柔軟剤の売上高は右肩上がりだそうです。

図を見れば分かるように、洗剤・入浴用・洗顔石けん、柔軟剤の売上はどれも上昇しています。

柔軟剤に限って言えば、2015年に登場してから爆上がりと言ってもいいほどです。

その種類が今や100種類を超えると言われる柔軟剤。

なぜそんなにも種類があるのか?理由はシンプルに売れるからでしょう。

そんなにも人々の支持がある柔軟剤ですが、具体的にはどんな被害があるのでしょうか?

香害の実態調査

2018年、シャボン玉石けん社は20代〜60代の男女648人に対して「香り付き洗濯洗剤に関する調査」を

インターネット上で行いました。

「あなたは香り付きの洗濯洗剤を使用していますか?」の質問に対して、

「使用している」と答えたのは67%にのぼりました。

また、「人工的な香りをかいで、頭痛・めまい・吐き気などの体調不良を起こしたことがあるか」に対して

55%の人が「ある」と答えました。なんと半数以上の方が具合が悪くなったことがあるとのこと。

香りの中に含まれる化学物質が原因となって、頭痛やめまい、吐き気、思考力の低下につながっている、ということが言えるのです。

そして、日本消費者連盟など7団体で結成された「香害をなくす連絡会」が行ったアンケート調査では、

不調を訴える原因となる香害は、柔軟剤によるものが最も多いことが明らかになっています。

(タバコの1.5%に対して柔軟剤が86%というのもすごいですね...)

では、なぜ香り付き洗剤でこのようなことが起こってしまうのでしょうか。

 マイクロカプセルの恐怖

柔軟剤を好んで使用しているユーザーからすると、香りが「持続する」ということが重要です。

つまり「いつまで経ってもいい香りがしている」ということ。(いい香りかどうかは...ですが)

そのためには、プラスチックでできた”マイクロカプセル”を使用します。

柔軟剤などに使用されるマイクロカプセルは、洗濯時に衣服に付着し、

熱や摩擦などでカプセルの膜が弾け、その際に香料が空気中に放出される仕組みになっています。

(※写真は、早稲田大学 創造理工学部 大河内研究室提供)

マイクロカプセルが破裂するたび、化学物質を含む合成香料だけでなく、

人や環境への影響が懸念されている小さなカプセルの破片が飛散し、

それを周りの人や動物などが吸ってしまいます。

また、目に見えず回収も不可能なため、そのまま土壌河川や、海に放出されてしまいます。

海で暮らす生き物たちにとってもかなりの問題になっている海洋プラスチックの原因にもなるのです。

ペットには安全なのか?

言うまでもなく、安全なわけがないですよね。

 「うちの犬の洋服は手洗いで石鹸使ってるから大丈夫」なんて言ってる方おられます?

マイクロカプセルは、柔軟剤を使用しているご家庭のどこにでも、空気中に存在しています。

  • 柔軟剤で洗った洋服を着た飼い主さんがワンちゃんを抱っこ

  • 柔軟剤で洗ったラグの上でワンちゃんが昼寝

  • ワンちゃんの被毛についたマイクロカプセルをふとした時に舐めてしまう

  • カーテンやソファカバーを柔軟剤でお洗

少し考えただけでも、犬がマイクロカプセルを吸い込む機会がとても多いことがわかります。

猫の場合はどうでしょうか?猫はグルーミングと言い、被毛を舐めて手入れします。

猫の被毛の表面にマイクロカプセルから放出された香料がついていたら...

もしかしたら、ペットの原因不明の体調不良の原因がそういったものだったとしたら...

原因が分からないけど肝臓の数値がいつも高い、などの原因になっていたら...

今の時代は何かと便利なことが多くて、便利さの追求においてはみんな必死です。

ですが、その便利さの中で「安全」や「健康」が失われているとしたらどうでしょうか。

企業が私たちの健康よりも利益を優先したらどうなるでしょうか。

もし最初から必要がない商品をあたかも必要だと思わせて購入するよう誘導されていたら

本当にいい香りがするということが、そこまで必要でしょうか?

大切なワンちゃんの健康を損ねる可能性があるものを買い続けますか?

最後に:メーカー側の答え

2024年2月、こんなニュースがありました。

東京都内の区議や全国の市議らが1月、香料入りの「マイクロカプセル」を配合して香りを長続きさせる製法の中止を求め、

柔軟剤メーカー3社(花王、P&G、ライオン)と日本石鹼洗剤工業会を訪問し、

署名8889筆を提出した。メーカー側は取材に対し、「安全性が確認された成分を使用している」としている。

体調不良から学校に登校できず、また職場にも出勤できない人たちがいるのにこの回答...。

まるで「香害なんて無きもの」、とでも言いたいんでしょうかね。

みなさんはこういった企業に、働いて得た大切なお金を投じたいと思いますか?