総合栄養食じゃないとダメ?

総合栄養食じゃないとダメ?

知ってるようで知らない「総合栄養食」。

犬のフードを選ぶとき、パッケージを見るとよく見かける表示があります。

それは、「総合栄養食」という表示

「ドッグフードを買うなら、そりゃ総合栄養食のほうがいい!」とか

「総合栄養食って書いてあるから、これさえ食べさせておけば大丈夫!」などなど、

ざっくりではあるけれど、こういったイメージを持っておられる方も多いのではないでしょうか。

今回は、そもそも総合栄養食とは何か、そして、「総合栄養食=その犬にとって最高の食事」であるのか、

そういったことについて、一緒に考えてみたいと思います。

そもそも「総合栄養食」って何?

総合栄養食とは、分かりやすい言葉でお伝えするならば、

「そのフードと水のみを摂取することで、対象となる犬の成長段階に

必要な栄養基準を満たすよう設計されたフード」ということと思っていただいて問題ありません。

日本では、ペットフード公正取引協議会が「総合栄養食」の表示基準を定めており、

その基準は、AAFCO(アフコ・米国飼料検査官協会)の栄養基準をもとに作られています。

ここで少しややこしいのが、「総合栄養食=AAFCOが認定したフード」ではないということ。

AAFCOは、ペットフードを個別に審査して、「この商品は総合栄養食です」というふうに

認定している機関ではなく、犬や猫に必要とされる栄養素の基準などを示している団体です。

また、日本では長らく1997年版AAFCOの栄養基準をもとに運用されてきましたが、

2016年のAAFCO側の改訂などを受け、日本の基準についても見直しが行われています。

ここで大切なのは、総合栄養食という表示が何を保証しているのかです。

総合栄養食であるということは、対象となる犬が必要とする栄養素について、

定められた基準を満たしていることを示している、と先ほどお伝えしました。

しかしそれは、「総合栄養食であることがその犬にとって最適なフードである」という意味ではありません。

例えば、同じ総合栄養食でも、原材料の品質や種類も違えば、加工方法も違います。

そしてどんな犬が食べるか、これについてもそれぞれ個体差を考えないといけないところです

年齢や性別、運動量、消化・吸収する力、それから健康状態、腸内環境なども違うからです。

病気や組織の修復が必要な状態では、健康な犬とは栄養素の需要が違ってくる可能性もあります。

つまり総合栄養食は、「一定の栄養基準を満たしていることを確認できる便利な指標」ではあるけれど、

「このフードがあなたの愛犬にとってベストです」というお墨付きではないということです。

こういった理由から、私たちは愛犬のフードを選ぶ際、「総合栄養食かそうでないか」だけが

必ずしも重要ではないことがある、というふうに考えています。

大切なのは、その表示を一つの判断材料としながら、「このフードには何が入っているのか?」や

「今のうちの子に、本当に合っているのか?」などを考えてみることではないでしょうか。

愛犬はいまどんな状態なのか、そこを考慮して選びたいものです。

ご自分だけで判断が難しい場合は、愛犬の状態をトータルに判断してフード選びを手伝ってくれる

プロに詳しく聞いてみてくださいね。

栄養素は添加物?

ここからは、ちょこっと踏み込んだお話を。

総合栄養食は、決められた栄養基準を満たす必要があります。

食材にはたくさんの栄養素が含まれている一方で、加工や加熱によって減少する栄養素もあります。

そこで、製造工程や原材料の栄養価を考慮しながら、必要な栄養素を別途加えることがあります。

例えば、栄養補給を目的として後から加えられるビタミンやミネラルなどです。

こうしたものも、添加物に含まれます。

「添加物って聞くと、保存料や着色料みたいなものを想像してしまう」という方もおられるでしょう。

でも、食品やペットフードにおける「添加」という言葉は、「後から加えたもの」という意味だけで、

良い・悪いを判断できるものではありません。

ビタミンやミネラルを、栄養補給を目的として製造時に加えることもあるのです。

つまり、必ずしも「添加物=悪い」ではなく、添加されている理由や何を添加しているか、

そしてその添加物の量などをしっかりと見て確認していくことが大切です。

おまけのお話

この流れでおまけのお話を少々したいと思います。

フードの栄養成分を見るときに、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。

パッケージには「粗タンパク質○%以上」「粗脂肪○%以上」などの数字が書かれていますね。

それでは、ここで問題です。

Q.タンパク質30%のフードと10%のフードなら、どちらが多くのタンパク質を含んでいるのでしょうか?

「そんなん、30%のほうに決まってるやん!」と思った方、早まらないで(笑)聞いてください。

実は、この答えを出すには見たままの数値ではなく、ちょっとした計算が必要なんです。

例えば、ドライフードとウェットフードでは含まれている水分量が大きく違います。

ドライフードは見た目にカリカリしてて乾燥してるし、ウェットフードはみずみずしいですよね。

そう、ウェットフードは水分が多いので、そのままの状態で栄養素の割合を見ると、

タンパク質などの数字はドライフードに比べて低く見えます。

お手元にドライフードとウェットフードの2種類お持ちの方、ぜひ見比べてみてください。

そこで、「水分を除いた部分だけで栄養素の割合を比べる」必要が出てきます。

これを「乾物換算」といいます。

乾物換算とは、簡単にいえば、「水分量の違うフードを、同じ条件で比較するための方法」です。

分かりやすく表にしてみましたので、ぜひご参考にご覧ください。

と、乾物換算まではこれでできました、なんですが...。

これでもまだ「その犬が実際にどれだけ栄養素を摂取するのか」までは分かりません。

なぜなら、フードによってカロリーが違うからです。

同じ100gであっても、300kcalのフードもあれば、500kcalのフードもあります。

ドッグフードには「100gあたり○kcal」というカロリー表示や、「粗タンパク質○%以上」といった

成分値が記載されています。

ただ、きっかり100gを毎食食べる犬ばかりではないので、栄養素をより詳しく比較する場合、

「100g中にどれくらい入っているか」だけではなく、「同じカロリーを食べたときに、どれくらいの栄養素を摂取することになるのか」という見方が必要になってきます。

つまり、フード選びの際には「そのままの%だけで比べるのではなく、水分やカロリーまで見ること」。

これをすることにより、フードの成分表の見え方はずいぶん変わってきます。

今日のまとめ

今日は、総合栄養食でないとダメ?というテーマで書いてみました。

ちなみに現在のところ、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」で義務付けられている表記は

全部で4つあり、総合栄養食、療法食、間食、その他の目的食、と分類されています。

おうちにあるドッグフードも、上記の4種類のどれかが記載してあるはずです。

一度、パッケージを確認してみてくださいね。